関節の使い方から産後ケアを考えてみると【ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー】

関節の使い方から産後ケアを考えてみると【ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー】

こんにちは、ボディケア整体荻窪ラボの三橋です。

出産すると多くの女性が、妊娠前にはおよそ感じなかったような体のトラブルや不調を抱えてしまうものです。

そんな産後に抱えてしまいがちな症状のなかでも代表的なものが、腰痛と股関節の不調(可動域の低下、硬さ)ではないでしょうか。

もちろん、当院の産後の骨盤矯正コースに産後ケア、産後の骨盤矯正で訪れるクライアントさんたちからも、いちばん多くお聞きする症状でもあります。

ところで。

実は、このふたつの症状には密接な関係があったのです。

今回、そんな産後女性の多くが抱えてしまう腰痛と股関節の不調の原因を解き明かすにあたって、“あるひとつの考え方”をお話させて頂こうかと思います。

それは「正しい関節の使い方」についてです。

正しい関節の使い方「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」という考え方について

正しい関節の使い方「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」という考え方について

人間の関節は、その役割によって2系統に分けることが出来るそうです。

  • モビリティ関節→動作を行う際に動きを出す役割を担う関節
  • スタビリティ関節→動作を行う際に固定させる役割を担う関節

人間の身体はその構造上、固定されるべきところが固定されていて(スタビリティ関節)、はじめて大きな力を生み出すことが可能となっているのです(モビリティ関節)。

例えば全力疾走するにあたって、骨盤がグラグラ揺れてしまうような状態では、力が抜けてしまい脚力を存分に生かせないですよね。

力学的に“パワーロス”が生じてしまうことがお分かり頂けるかと思います。

すなわち、蹴り足で生み出した推進力は、骨盤を物理的に固定させることで、はじめて効率良く使うことが出来るというわけ。

この場合、股関節がモビリティ関節として、腰椎と仙腸関節(おもに背骨の腰の部分)がスタビリティ関節として機能することになります。

 また、この2系統の関節(スタビリティ関節、モビリティ関節)は、それぞれが隣り合うことなく、必ず交互に重なるように配置されています

同じ系統の関節どうしが決して隣り合わないように配置されていることからも、あらゆる動作において2系統の関節の協調がいかに重要であるかが簡単に推測できます。

動作において、それぞれの系統の関節を本来の使い方、つまり「正しい関節の使い方」が出来ていないと様々な問題が生じてしまうことになるのです。

“固めるべき所はきちんと固めて、動かすべき所をきちんと動かせるようにすれば身体の機能性を高めることができる”

こういった考え方を「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」といい、運動機能の向上のみならず、ケガの防止においても重要な考え方となるのです。

実際の人体におけるスタビリティ関節とモビリティ関節について

人間の関節の配置を上から順に確認していくと、頸椎(首)、胸椎、腰椎と骨盤(仙骨、仙腸関節)、股関節、膝関節、足関節(足首)といった並びになっています。

これを先述のとおりに分類分けすると以下のようになります。

  • 頸椎、腰椎と骨盤(仙骨と仙腸関節)、膝関節→スタビリティ関節
  • 胸椎、股関節、足関節→モビリティ関節

ここで、“腰を捻る”という動作を例にとって考えてみましょう。

“腰を捻る”という動作において、実際に動作として捻るように動くのは胸椎となります(モビリティ関節)。

腰椎と骨盤が土台として固定されていることで(スタビリティ関節)、はじめて上半身(胸椎)に十分な捻る動作が生まれる訳なのです。

つまり、“腰を捻る”動作において、実際に捻っているのは胸椎だったということ。

逆に言うと、本当に腰(腰椎と骨盤)で捻るように身体を使ってしまうと、それは身体本来の使い方ではないので腰を痛めてしまう原因に繋がってしまうのです。

本来、腰をあまり捻るように使ってはいけないものなのです。

腰をスタビリティ関節として使えるかどうかが「体幹」のカギを握る

「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」によると、人体の構造を考える上で、どうやら腰(腰椎と骨盤)をスタビリティに(固定させるように)使えるかどうかがとても重要となるのだそう。

肝心要(かなめ)である腰がスタビリティ関節として、あらゆる動作において胸郭(肋骨に覆われている部分)と骨盤とを物理的に安定させるように働くことが出来なければ、「体幹」は成立しませんから。

“投げる”や“走る”といった多くの動作において体幹(胴体)が安定しないことには、そのパフォーマンスを大きく下げてしまう結果に繋がってしまうのです。

体幹がブレてしまっていては、手足にきちんと力が伝わりません。

 しかし、出産後の女性は、「出産による体幹バランスの崩れ」による影響もあり、いったん「体幹」が崩れてしまった状態からのスタートを余儀なくされてしまいます。

そして「体幹」を支えるコアマッスルの機能低下もあり、腰(腰椎と骨盤)がスタビリティ関節として十分にその機能を果たすことが出来なくなることから、代わりに本来モビリティ関節であるはずの股関節をスタビリティ関節として使ってしまうようになるのです。

妊娠出産後に抱えてしまう違和感や不調、トラブルの原因の正体【出産による体幹バランスの崩れ】

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産後ケア、産後の骨盤矯正における当院の考え方と共通する部分について

当院の考える産後ケア、産後の骨盤矯正とは以下の通りとなります。

“妊娠出産によって失われた体幹の安定性を回復させることによって、本来の身体の働きを取り戻すこと”

特に骨盤に起点を持つ筋肉を調整し、体幹を支える深層筋の機能を呼び覚ますことによって、全身の筋肉の機能を回復させていくという考え方です。

そして、これは「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」という考え方と非常に共通する部分があるのです。

「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」によると、腰(腰椎と骨盤)から使い方がずれていくことによって、全身の関節において“間違った使い方”があたかもオセロのように広がっていってしまうという考え方をするのです。

だから、まず腰(腰椎と骨盤)から、その使い方を改善していくべきであると。

つまり、“体幹”と“腰(腰椎と骨盤)”という表現の違いはあれど、身体の基幹(中心部)を改善させることによって、全身の機能を回復させていくという考え方には相違はないということです。

「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」については、「関節の正しい使い方」という別の観点から見た「あるひとつの考え方」ということになるのですが、これは当院の考える産後ケア、産後の骨盤矯正とも非常に似通った考え方でもあるのです。

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