出産後に抱えてしまった膝の痛みを根本的に解決するために必要なこととは
こんにちは、ボデイケア整体荻窪ラボの三橋です。
今回ブログは、産後の膝痛について。
出産後に“膝の痛み”で悩まれる方というのは実に多いもの。当然ながら当院にも膝の痛みや違和感を抱えて来院される方が大勢いらっしゃいます。
ところで、産後の膝痛からの根本的な解決を目指すにあたって、施術者はいったい何にポイントを置くべきなのでしょうか?
当然、出産後に初めて出現した痛みであるのならば、これはその原因を探っていく上で重要なキーワードとなってくるはず。
高齢者に多くみられるタイプの膝痛とは別にある、産後女性に特有の原因にアプローチしていくべきであると当院は考えるのです。
妊娠出産で膝の痛みを抱えてしまう多くの原因とはいったい?
出産後に抱えてしまった膝の痛みは、おそらく多くの方にとって“これまでの人生で経験したことのないタイプの痛み”であるはず。なかには自身の膝関節が早くも「老いてしまった」と悲観されてしまうような方もいらっしゃいます。
そうでなくとも、何だか恥ずかしさのあまり周囲のママ友に相談することもためらってしまう方が多くいらっしゃるものなのです。
だけど、ご安心ください。
もし、過去にスポーツや事故などで“膝を痛めてしまった”という履歴がないのであれば、抱えてしまわれている膝痛の原因のほとんどは半月板や十字靭帯などといった“膝関節の崩壊”を意味するものではないから。
膝関節を支える筋肉が硬直し、膝の曲げ伸ばしをする際に膝関節に負荷を掛けてしまっているだけであるのです。
要は妊娠出産によって生じた「何らかの理由」によって、そういった膝関節を支える筋肉が硬直してしまう状況を作ってしまっているだけなのです。
だから、普通の日常動作をするだけで、妊娠前には考えられなかった膝の痛みを誘発してしまうのです。
なお当院では、この「何らかの理由」については、「出産による体幹バランスの崩れ」であると考えています。
知らずしらずのうちに、妊娠前とはまるで違う筋肉の使い方をしてしまっていることで、膝関節を支える筋肉に負担を集中させてしまっているのです。
出産後すべての方が膝の痛みを抱えてしまう訳ではない
出産後、当然、膝には育児で大きな負担を掛け続けることにはなってしまう訳ですが、そうかといって皆すべての方が同じように“膝の痛み”を抱えてしまう訳でもありません。
では、何がその明暗を分けてしまうのでしょう?
もちろん赤ちゃんの重さや抱っこの頻度にもよるのですが、出産後に“膝の痛み”を発症してしまうかどうかを左右するファクターのひとつが、その方が持ち合わせている体幹バランスの状態にあると当院は考えます。
なお体幹バランスについては、ひと言で分かり易く言ってしまうと、「どれだけ効率よく全身の筋肉を使うことが出来るか?」に尽きるかと思います。
妊娠出産の過程で生じた「何らかの理由」によって、一部の筋肉が上手く機能しなくなり(使い方を忘れてしまい)、代わりにそのぶん余計に負担してしまっている筋肉が負担に耐えかねて痛みや不調を発してしまっているのです。
妊娠される前であれば何でもなかったような日常の普通の動作が、こういった理由によって“膝の痛み”の原因を作ってしまってことになるという訳です。
出産後に膝の痛みを抱えてしまいやすい方の特徴について
続いて、特に出産後に“膝の痛み”や膝痛を抱えてしまいやすい方の“特徴”について説明します。
実は、出産後にそういった症状を抱えてしまう方によく見られる、特徴的な姿勢的傾向があるのです。
膝関節を支えている筋肉に大きなストレスを与えてしまいやすい姿勢ということ。
それはフラットバックと呼ばれる姿勢的傾向で、いわゆる背骨のS字のカーブがとても弱く、あたかも背骨がまっすぐに見えてしまうような姿勢。
比較的筋肉量の少ない女性が出産後に陥りやすい姿勢で、普段から腰を落として(膝を伸ばし切らないで)“ひざ歩き”するような方に多く見られる姿勢的傾向です。
そうなると、お尻の筋肉が上手く使えず衰えてしまうことにより、腰痛はもちろん、イスや床に座る時に“尾てい骨が接触する”痛みを併せて抱えてしまうことも多いようです。
また、フラットバックの傾向を持つ方は「腹圧を高められない」姿勢でもあり、お腹のいちばん奥底に存在し、“体幹”を支える中枢部分であるインナーユニットとよばれる部分が機能しない状態であるとも言えます。
こういった事情から、産後ケアの現場では似たような姿勢的傾向を持つ方が、“膝の痛み”だけでなく、尾てい骨やお尻の筋肉の痛み、それと“尿もれ”を同時に抱えてしまっているケースがとても多いのです。
産後に抱えてしまった膝の痛みを根本的に解決するには「体幹」の回復が重要
それでは目の前のクライアントさんを出産後に抱えてしまった膝の痛みから根本的に回復させてあげるにあたって、いちばん大切なこととはいったい何なのでしょう?
無論、痛み止めの湿布や飲み薬は、授乳もあるから論外です。
硬くなってしまった太もも周りの筋肉をストレッチや施術によってただ弛めれば、それで良いのでしょうか?
それは否であると考えます。
それだとたとえ施術によって痛みが緩和したとしても、原因となっている生活習慣や筋肉の使い方が変わらない限りは、おそらくは間を置かず再び筋肉は硬くなり出し、痛みや不調は再発させてしまうことでしょう。
大切なのは再び筋肉が硬くならないようにすること。
つまりは、きちんと体幹の力を利用できるような、言い換えると一部の筋肉に負担を集中させないような「正しい身体の使い方」に導いてあげることが重要であると当院では考えるのです。
そういった意味では、産後女性が抱えてしまった膝の痛みや不調からの根本的解決を目指すには、体幹バランスの改善がどうしても必要であると当院では考えます。理由もなく痛みや不調を抱えてしまう訳ではないのですから。
なお、ここでは詳細は省きますが、まずは産後のリハビリテーションの一環として自転車に乗ることをまずは推奨しています。
そういった“眠らせてしまっている”状態にある筋肉(多くは内転筋とよばれる内ももの筋肉)を効率よく刺激すること出来るからです。
それがかなわない場合は、ベビーカーウォーキングなんかも良いでしょうね。