産後ケアと体幹バランスとの関係【スタビリティマッスルとモビリティマッスル】

産後ケアと体幹バランスとの関係【スタビリティマッスル とモビリティマッスル】

こんにちは、ボディケア整体荻窪ラボの三橋です。

本質的な産後ケア、産後の骨盤矯正を理解する上で、重要なキーワードとなるのが体幹バランスの回復であると当院では考えます。それは妊娠出産を経て生じる決定的な変化が「体幹バランス」の崩れにこそあると当院では考えるからです。

そこで今回は「体幹」について正しく理解して頂くために、まずスタビリティマッスルモビリティマッスルという2種類の筋肉についてお話しさせて頂こうかと思います。

ただ「骨盤を締める」などといった概念的な産後ケア、産後の骨盤矯正にとらわれることなく、その本質について正しく理解するには、どうしても「体幹」について正しい深い理解が必要となってくるのです。

妊娠出産を経て決定的に変化してしまうもの

妊娠から出産までの過程で、女性の身体には急激な重心バランスの変化が生じます。およそ10か月かけて徐々に大きなお腹でバランスをとるように変化していった身体が、今度は出産の日を境に完全にリセットされてしまうからです。

こういった急激な重心位置の移動により女性の身体は、一時的に全身の筋肉が機能低下してしまうことになります。妊娠出産することでいったん筋肉のメカニックが完全に崩れてしまうのです。これを当院では「体幹バランスの崩れ」と呼んでいます。

例えば、出産後に感じる「身体に力が入りずらい」、「歩くとふらついてしまう」、「立ち上がりにくくなった」といった現象は、体幹バランスの崩れで説明することが出来るでしょう。重心バランスの急激な変化によって一部の筋肉が機能低下を起こしてしまっているのです。もっと簡単に言ってしまうと、いったん筋肉の使い方を忘れてしまうのです。

さらには、こういった機能不全を起こしてしまっている筋肉のぶん、他の筋肉に余計に負担を掛けてしまう状況を作ってしまうことにもなるでしょう。妊娠中や出産後に立ち方や歩き方が変わってしまうのは、こういった理由から。

こうして今度は、負担に耐えかねた筋肉が痛みを抱えてしまうことになる訳です。ただ普通の日常生活を送っているだけなのに、産後女性が思いがけない痛みや不調を抱えてしまう原因はこんなところにあったのです。

体幹を支えるスタビリティマッスルとは

ところで、「体幹」という言葉の本来の意味をご存知でしょうか?実は、「体幹」という言葉自体はもともと手足と頭部を除いた部分、つまりは胴体を指す言葉でした。

しかし、現在では転じて「転ばない、倒れない」よう身体を安定させる力であったり、持ち合わせている筋肉を効率よく使うため力であったりと、その解釈さまざま。

なお当院では「体幹」の果たす役割については以下の二つであると考えます。

①身体が倒れないようにバランスを維持する「体幹」

例えば電車に乗って揺られている状況にあっても、体が倒れないでいられる理由がこれにあたります。

背骨と骨盤をしかるべき状態(骨盤を水平を保つ)に留めておけるよう、関節や筋肉の安定のために作用する筋肉が存在するのです。これを姿勢保持筋といいます。

骨格を支える筋肉自体の長さが変わらないように力を入れ続けることで、揺れに対して倒されないよう耐えることが出来る訳なのです。(筋肉の長さが変わってしまうと、骨格が動いて倒されてしまう。)

このように筋肉自身が伸び縮みすることなく力を入れる使い方を等尺性収縮(アイソメトリック)といい、また、こういった場合、スタビリティマッスルとして機能しているということになります。(小さい力ながら持続的に作用する)

②体の力を伝える「体幹」

また、「体の力を伝える」という役割での「体幹」も存在します。

例えば、ほとんどのスポーツにおいて重要となってくるのは、下半身で生み出した力を上半身に上手く伝えられるかどうかという点。こういった働きも「体幹」と呼ばれ、こういった場合、インナーユニットと呼ばれる腹部を支えるコアマッスル群がその機能を支えてくれているのです。

もちろん、この時もインナーユニットを構成するコアマッスル群も同じくスタビリティマッスルとして機能しています。

産後ケアを正しく理解する上でキーワードとなるインナーユニットについて

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動作を担当するモビリティマッスル

今度はモビリティマッスルについて考えていきましょう。

スタビリティマッスルが姿勢保持筋として背骨と骨盤の制御(姿勢の安定)をおもに担当するのに対して、動作そのものを担当するのがモビリティマッスル

例えば、片手でダンベルを持ち上げた時に、二の腕に「力こぶ」が出来ますよね。

上腕二頭筋イメージ

この時、上腕二頭筋という筋肉がモビリティマッスルとして機能することで、筋肉が収縮し盛り上がった結果、「力こぶ」が出来る訳なのです。このように筋肉自身を伸び縮みさせて出力を発揮するような使い方を等張性収縮(アイソトニック)といい、これがモビリティマッスルの特徴となります。

本質的な産後ケア考える上で大切なこと

歩いたり、持ち上げたり、手足から大きな出力を生み出したい時、まずは力の起点となる胴体(体幹)を物理的に安定させる筋肉(スタビリティマッスル)が必要となってきます。力の起点である体幹がグラついてしまっていては、せっかく手足の筋肉(モビリティマッスル)が生み出した力が逃げてしまい、効率よく筋肉を使えないからです。

つまりは、こういったスタビリティマッスルとモビリティマッスルとの調和(バランス)がとれてこそ、本来持ち合わせている筋肉の能力を最大限発揮できる、体幹バランスが成立している状態にあるということになります。

しかし妊娠出産を経て産後女性は、こういった身体を安定させるように働くはずのスタビリティマッスルに大きなダメージを負ってしまうことになります。妊娠中にインナーユニットと呼ばれる腹部を支えるコアマッスル群が大きなダメージを負ってしまうからです。

そういった意味では、出産後は、まずはスタビリティマッスルを正しく認識した上で、体幹バランスの回復から着手するべきであると考えます。そうではなく、やみくもにモビリティマッスルから鍛えてしまうと、思わぬケガや不調の呼び水となってしまうこともあるから注意が必要になるのです。

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