「たすき掛け」のもたらす驚きの効果と産後女性の育児における負担軽減について
こんにちは、ボディケア整体荻窪ラボの三橋です。
今回は、いつもと趣向を変えて「たすき掛け」についてのお話。
皆さん、「たすき掛け」と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?
「掃除や炊事するときになど、着物の袖が汚れないようにするための工夫」
おそらく、こんなイメージをお持ちの方が多数なのでは。ところが、それ以外にも実は「身体のパフォーマンスを向上させる」といった機能もあったのです。さらには「肩こりの軽減」といった効果も。
日本古来の伝統文化って、よくよく調べてみると実に興味深いものであったりするのです。
「たすき掛け」がもたらす効能について
まずは「たすき掛け」がもたらす効能について説明していきましょう。
実際に“たすきを掛ける”と、気持ちが引き締まり集中力が増すような効果を感じるだけでなく、身体機能においても肩甲骨が引き寄せられることで胸が開き、背筋が伸びるといった効果を期待出来ます。その結果、深い呼吸が可能となり、肩から肘、手首にかけての連動がス ムーズに行えるようになるのです。
さらには作業効率が向上し疲れにくくなるだけでなく体軸が安定することによって余計な肩の力が抜け、“肩こり”の軽減にも繋がってくるのだとか。
つまりは、「たすき掛け」することによって肩甲骨周囲に筋骨格が刺激されることによって、体幹が一時的に強化されるという訳です。
こういった一連の効果を先人達は、おそらく経験的に知っていたのでしょう。
現代人の日常生活および育児においては
ここで話が変わります。
われわれ現代人は、日常生活のなかでパソコンやスマートフォンを長時間見る影響で、頭部が前にずれていきがち。いきおい背筋は丸くなり、両肩はなかに巻いていき、両方の肩甲骨は互いに離れていってしまうことに。結果、“ストレートネック”と呼ばれる姿勢的傾向を作ってしまうことになってしまう訳です。
こうして肩甲骨どうしが離れた状態になってしまうと、筋肉どうしの連携の関係で※
、肩まわりをはじめとする体幹を支えるインナーマッスル群がうまく使えない状況に陥ってしまうことになります。(※体幹を支えるインナーマッスル群は、他の筋肉と複雑に連動して働くという特性があります。)
つまり“巻き肩”になってしまうと、インナーマッスルがその機能をうまく発揮できなくなってしまうことでアウターマッスルの機能低下が生じてしまい、あらゆる作業効率が落ちてしまうことに繋がるのです。
そして、これは育児においても然り。
授乳など“下を向き続ける”ことが多い影響で、産後女性は、どうしても“巻き肩”になってしまいがち。
そのせいで呼吸が浅くなることで疲れやすくなり、余計に力むかたちでの抱っこなどを強要されてしまうことになってしまうのです。
体幹を改善させることで「たすき掛け」と同様の効果が
それでは「たすき掛け」をして育児をすれば良いということなのでしょうか?
これについては家事をなさるぶんに限ってはアリかと思うのですが、育児においては色々と支障が出てくる話になろうかと。そもそも肩が内に巻けないと授乳もしづらいでしょうし。
もちろん現実的には、体幹を強化することで姿勢を改善し、結果「巻き肩」を改善する方が得策となるでしょう。それにはインナーマッスルの強化が不可欠となります。
その場合、例えばヨガやピラティスに通うのも選択肢のひとつになるでしょう。もちろん通うまでもなく、今どきでしたら、こういったものを育児の傍ら、オンラインサービスで利用することも可能でしょう。
しかし現実的には、出産後まもない女性があちこちに痛みや不調を抱えた状態にあっては、なかなか通うのはもちろん、自宅でレッスンに励むのもなかなか難しいものです。
そういった場合は、近所にある子連れ可能な整体カイロプラクティックに通われるのも選択肢のひとつになるかと思います。まずは“きちんと動ける”カラダを目指してからということ。その上で。“鍛える”ないしは“強化する”といった段階を踏むと良い訳です。